要件や規格を理解する
316/316Lステンレス鋼製または特殊合金製のスウェージロック流体システム・コンポーネントは、NACE MR0175/ISO 15156サワー・ガス規格の要件を満たしている製品として使用することができます。 合金6HN(UNS N08367)製および合金2507製のバルブおよび継手は、NORSOK M-650サプライ・チェーン認定規格の厳格な要件に準拠した工程に基づいて製造されたバー・ストックや鍛造から製造しています。
NACE要件
NACE MR0175 / ISO 15156規格には、一次側の油田装置で使用可能な材料のリストが記載されています。硫化水素[H2S]を含む油/ガス/海水が混在するサワー・ガス環境では、硫化物に誘発された応力腐食割れがリスクとなります。
この規格は、冷間引抜316ステンレス鋼製チューブ継手を計装システムで、6-moly製チューブ継手を管理システムで、それぞれ使用することを認めています。 ニッケル合金についても、加工硬化処理することで、計装システムおよび管理システムや、プロセス流体の処理に使用することが可能です。
この規格書には、以下の内容が記載されています:
- 材料の状態と特性に関する要件
- 材料の使用に関する環境条件
- 特定のサワー・ガス(硫化水素)環境下での材料の使用に関する留保条件
参考情報
サワー・ガス環境の油田向けの流体システム・コンポーネントの選定に関する詳細につきましては、Offshore Magazineをご参照ください。
合金2507スーパー・デュープレックス・ステンレス鋼製チューブ継手のNACE要件
合金2507向けのNACE MR0175/ISO 15156規格の要件
合金2507製Swagelok® チューブ継手を適切に機能させるには、冷間引抜バー・ストック製のナットとフェルールを必ず使用してください。この材料は、表面が硬い合金2507チューブをグリップし、 『Swagelokチューブ技術資料』をご参照ください。
NACE MR0175 / ISO 15156規格に準拠するのに必要な条件:
- ストレート型チューブ継手のボディは、溶体化処理したバー・ストック製の合金2507から製造されていること
- ストレート型以外のチューブ継手のボディは、溶体化処理した鍛造製の合金2507から製造されていること
- システム流体と接しないチューブ継手ボディのねじは、転造によって製造してもよい
- 内部で流体に接するねじが切られていること
- チューブ継手のナットは、冷間引抜のバー・ストック製合金2507から製造されていること。ただしシステム流体には接していないこと
- バック・フェルールは、冷間引抜のバー・ストック製6-molyから製造されていること。ただしシステム流体には接していないこと
- フロント・フェルールは、冷間引抜のバー・ストック製合金2507から製造されていること
- フロント・フェルールの先端部は接液・接ガス部であり、この部分は圧縮状態にあるため、応力腐食割れまたはサワー・ガス(硫化水素)割れの影響を受けない[この規格では、引張応力がかかるコンポーネントは応力腐食割れやサワー・ガス(硫化水素)割れが避けられないとされている]
- ポート・コネクターとプラグ・インサートが、溶体化処理したバー・ストック製の合金2507から製造されていること
合金625製の標準の継手およびミディアム・プレッシャー・チューブ継手のNACE要件
合金625製のSwagelok®チューブ継手およびミディアム・プレッシャー・チューブ継手を適切に機能させるには、冷間引抜バー・ストック製のナットとフェルールを必ず使用してください。 この材料は、合金625チューブをグリップし、 『Swagelok®チューブ技術資料』 および 『Swagelok Medium and High-Pressure Fittings and Adapters—Special Alloy Materials(Swagelok中圧用/高圧用継手およびアダプター: 特殊合金製)』記載の最高使用圧力に対して十分な強度を有しています。
型番にコード「-SG2」を含む合金625製Swagelok® チューブ継手およびミディアム・プレッシャー・チューブ継手は、NACE MR0175/ISO 15156要件を満たしています。表A.13によると、継手の内部がサワー・ガス(硫化水素)に接していても、外部が接していなければ、あらゆる装置で使用することが可能です。
冷間引抜バー・ストック製のボディを持つ継手は、NACE MR0175/ISO 15156 Table A.14の要件を満たしています。Table A.13の要件を満たしている継手は、以下の条件で製造されています:
- ストレート型継手のボディは、焼きなましたバー・ストックから製造されていること
- ストレート型以外の継手のボディは、焼きなました鍛造製または焼きなましたバー・ストックから製造されていること
- ナットは溶体化処理したバー・ストックまたは冷間引抜バー・ストックから製造されていること。ただしシステム流体には接していないこと
- バック・フェルールは、溶体化処理したバー・ストックまたは冷間引抜バー・ストックから製造されていること。ただしシステム流体には接していないこと
- フロント・フェルールは、溶体化処理したバー・ストックまたは冷間引抜バー・ストックから製造されていること
- フロント・フェルールの先端部は接液・接ガス部であり、この部分は圧縮状態にあるため、応力腐食割れまたはサワー・ガス(硫化水素)割れの影響を受けない[この規格では、引張応力がかかるコンポーネントは応力腐食割れやサワー・ガス(硫化水素)割れが避けられないとされている]
- プラグ、ポート・コネクター、チューブ・アダプターは、焼きなましたバー・ストックから製造されていること
6-Moly合金製チューブ継手/パイプ継手/溶接継手のNACE要件
NACE MR0175 / ISO 15156規格に記載の表には、上流のサワー・ガス・アプリケーションで使用されている材質の要件および環境限界が載っています。 6-Moly合金の要件は、NACE MR0175 / ISO 15156の表A.8 およびA.11で規定されています。
表A.8は、サワー・ガス(硫化水素)用のすべての装置やコンポーネントに使用されている高合金オーステナイト系ステンレス鋼に関する環境限界および材料限界を規定しています。
表A.11は、計装用チューブ、制御ライン用チューブ、圧縮継手、表面およびダウンホール・スクリーン装置に使用されている高合金オーステナイト系ステンレス鋼に関する環境限界および材料限界を規定しています
NORSOK規格
NORSOK規格(ノルウェーの石油業界が作成)には、以下に重点を置いた材料とサプライ・チェーンの要件が記載されています:
- 安全かつコスト効率に優れたオペレーションを維持する
- 石油会社による各種仕様を代替する
- 国際規格の作成プロセスの基礎を提供する
- 国際規格が公開された場合は、該当する規格を廃止する
なお、NORSOK認定製品に対するニーズの高まりを受け、スウェージロックでは、NORSOK認定の材料から製造したチューブ継手、パイプ継手、一部の一般産業用バルブ製品の注文を承っています。 また、NORSOK M-650サプライ・チェーン認定規格の要件に準拠した、バー・ストック製および鍛造製の2507、254、6HNから製造した製品を提供しています。
この規格の詳細につきましては、以下の表をご覧ください:
詳細につきましては、補足資料のページをご参照ください。